2025年度の再エネ賦課金は3.98円に上昇 電気代への影響は?

2025年度の再エネ賦課金が、1キロワット時あたり3.98円に決定しました。2024年度の3.49円から0.49円の増加で、家計や企業にとっては見過ごせない電気代の上昇要因です。

この賦課金は、私たちが毎月支払う電気料金の一部として加算されており、再生可能エネルギーの普及を支えるために必要な制度です。しかし、負担が増える現実を前に、戸惑いや不安を感じている方も多いかもしれません。

この記事では、再エネ賦課金の仕組みから、2025年度の変更内容、家庭や企業への影響、そしてその対策として注目される太陽光発電の活用方法までを、わかりやすく整理します。

再エネ賦課金とは

再エネ賦課金とは、正式には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と呼ばれる制度です。電力会社が再生可能エネルギーで発電された電気を一定価格で買い取るために、電気を使うすべての人が負担する形になっています。

この制度の根拠となっているのが、固定価格買取制度(FIT制度)です。再生可能エネルギーの導入を促すため、国が決めた価格で電力会社が一定期間買い取るよう義務付け、その費用を広く国民から集めて賄う仕組みです。

電気料金の明細を見ると、「再エネ発電賦課金」という項目があり、使用量に応じて自動的に加算されています。例えば、月に300kWhの電力を使用した場合、2025年度の賦課金単価3.98円では、約1,194円が再エネ賦課金として上乗せされることになります。

この金額は、使用量が多いほど高くなるため、家庭だけでなく企業にとっても無視できないコストとなっています。

2025年度の再エネ賦課金の変更点

2025年度の再エネ賦課金は、1キロワット時あたり3.98円に決まりました。前年の2024年度は3.49円だったため、0.49円の増加となります。単価としては過去2番目の高さであり、家計や企業にとって重みのある改定です。

過去5年間の推移(参考データ)

年度 賦課金単価(円/kWh)
2021年度 3.36
2022年度 3.45
2023年度 1.40
2024年度 3.49
2025年度 3.98

2023年度に賦課金が大幅に下がった背景には、2022年度に発生した電気料金の高騰が影響しています。火力発電など従来の電源にかかるコスト(=回避可能費用)が急激に上昇したことで、再生可能エネルギーの相対的な調達コストが下がり、その結果として再エネ賦課金が大きく引き下げられました。

回避可能費用とは、再エネ電力を導入することで避けられる火力発電などの発電コストを指します。この費用が高くなればなるほど、再エネ導入によって削減できるコストも大きくなり、賦課金の算定において差し引かれる部分が増えます。

ただし、これは一時的なもので、2024年度以降は燃料価格の安定化により回避可能費用が低下。その影響で再エネ賦課金は再び実質的な水準に戻り、2025年度にはさらに引き上げられる結果となりました。

家庭・企業への影響シミュレーション

再エネ賦課金の単価が上昇すると、使用電力量に比例して電気料金の負担が増加します。ここでは、家庭と企業それぞれのケースで、どの程度の影響があるのかをシミュレーションしてみましょう。

一般家庭(月間使用量300kWh)の場合

年度 賦課金単価(円/kWh) 月額負担(目安)
2024年度 3.49円 約1,047円
2025年度 3.98円 約1,194円

1カ月あたり約147円、年間では1,764円の増加となります。日々の節電だけでは吸収しきれない範囲であり、家計にじわじわと効いてくる水準です。

中小企業(月間使用量10,000kWh)の場合

年度 賦課金単価(円/kWh) 月額負担(目安)
2024年度 3.49円 約34,900円
2025年度 3.98円 約39,800円

月額で4,900円、年間では58,800円のコスト増となります。規模が大きくなるほど影響は深刻で、複数店舗を運営する企業や工場では、年間数十万円以上の負担増につながる可能性もあります。

契約内容や地域による違いも

実際の影響額は、使用量だけでなく契約種別(従量電灯、業務用、高圧契約など)や地域の電力会社によっても異なります。燃料費調整額など他の料金項目と合わせて全体の電気料金を把握し、長期的な視点で対策を検討することが重要です。

再エネ賦課金を抑える対策

再エネ賦課金は電気の使用量に応じて増えるため、単価を変えることはできません。しかし、使用量そのものを減らしたり、購入する電力を減らす仕組みを取り入れることで、実質的な負担を軽減できます。

ここでは、家庭や企業が取り組める代表的な対策を紹介します。

自家消費型太陽光発電の導入

最も効果的な対策のひとつが、太陽光発電を自家消費型で導入する方法です。自分で発電した電気をそのまま使うことで、電力会社から買う電力量を減らせます。これにより、再エネ賦課金の課金対象となる電力量も減るため、毎月の電気料金に含まれる賦課金を実質的に抑えることができます。

家庭では屋根設置型の住宅用太陽光、企業では工場や施設の屋根・空き地に設置する産業用太陽光が一般的です。

企業における投資回収と優遇制度

中小企業や大規模事業者が太陽光発電を導入する場合、初期投資が課題となることもあります。ただし、国や自治体による補助金制度や税制優遇措置(即時償却や固定資産税の軽減)を活用すれば、導入コストを大幅に抑えられます。

電力消費の多い業種ほど効果は大きく、3年~5年で投資回収できるケースも珍しくありません。

電力契約の見直し

再エネ賦課金は全国共通ですが、基本料金や燃料費調整額は電力会社によって異なります。PPS(新電力)への切り替えや、プラン変更によって、電気料金全体を抑えられる場合もあります。

特に企業では、需要に応じた最適な契約容量や料金プランの見直しが、賦課金以外のコスト削減にもつながります。

省エネ機器の導入

電気の使い方を見直すことも重要です。エアコンや照明を高効率モデルに更新する、省エネスケジュールを設定するなど、設備と運用の両面での対策が効果的です。

単に電気を節約するだけでなく、再エネ賦課金の影響を抑えるという視点で、省エネに取り組む価値が高まっています。

太陽光発電の導入事例

再エネ賦課金の負担増に対する有効な対策として注目される太陽光発電。ここでは、実際に導入した家庭や企業の事例をもとに、具体的な効果を見ていきます。

一般家庭の事例:電気代の年間3万円削減

東京都内の戸建て住宅では、2023年に4.5kWの太陽光パネルを屋根に設置。晴天時には昼間の消費電力の大半を自家発電でまかない、電力会社からの購入量を大幅に減らしました。

結果として、月々の電気料金が2,500円〜3,000円ほど安くなり、年間ではおよそ3万円以上の削減に成功。再エネ賦課金も、購入電力量が減ったことで軽減されています。

企業の事例:年間100万円超の電力コスト削減

中部地方にある製造業の中小企業では、工場の屋根に50kWの太陽光発電を導入。平日日中の稼働時間帯に発電した電力を自家消費することで、電力会社からの購入電力を約30%削減できました。

年間の電力コスト削減額は約120万円。再エネ賦課金に対しても、使用電力量が少なくなった分、月あたり1万円近くの負担軽減につながっています。

さらに、導入にあたっては自治体の補助金を活用し、全体の投資額を20%削減。5年以内の投資回収を見込んでいます。

補助金・税制優遇の活用も重要

2025年度も、環境省や経済産業省、各自治体による再エネ設備向けの補助制度や税制優遇が用意されています。たとえば、即時償却や固定資産税の軽減措置などが該当します。

これらを上手に活用すれば、初期投資への不安を抑えながら導入を進められます。特に法人向けには、環境経営やカーボンニュートラル対応の一環として注目されています。

まとめ:再エネ賦課金は"電気を買わない"工夫で抑える時代へ

2025年度の再エネ賦課金は3.98円/kWhに引き上げられ、家庭でも企業でも無視できないコストとなりました。制度の役割は再エネの普及という大義があるとはいえ、利用者にとっては電気料金の中で最もじわじわ効いてくる項目でもあります。

今回の記事のポイント

  • 再エネ賦課金は使用量に比例して電気料金に上乗せされる
  • 2025年度は0.49円の単価上昇で、家庭・企業ともに実質負担増
  • 2023年度に単価が下がったのは電気代高騰による回避可能費用の影響
  • 太陽光発電の自家消費は、再エネ賦課金を抑える有力な対策
  • 補助金や税制優遇を活用すれば、導入負担も抑えられる

再エネ賦課金は、契約や節電だけでは逃れられない費用です。ただし、電気を「買わない」工夫を取り入れれば、実質的に支払う賦課金を減らすことは可能です。

電気の使い方を見直すと同時に、これからは発電手段も自分で持つという選択肢が、家計や企業経営の安定につながります。

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